博多座の検証動画が面白い(そしてオリジナルグッズ)

*博多座の検証動画が面白い。「前のめりの観劇スタイルが、後ろの方にとってどれだけ迷惑になってしまうか」を検証した動画である。2年前の動画だがちょっとした話題になって、それで私もこの動画を知った。

 わずか1分にも満たないが、「よくぞ言ってくれた!」「こんなに違いがあるのか!」と観客心をくすぐる(?)動画なのである。博多座ではもともと、上演直前にこのマナーについてスタッフさんが肉声で注意をする。だが、現実には「実際にどのくらい迷惑なのか」の証明ができないために、ちょっとぐらいなら問題ないだろうと前のめりになる人が意外にいる。私もこの動画を見てこんなに見え方が変わるのかと驚き、気を引き締めた。そして(この動画を)作ってくれたことに「やるじゃん、博多座!」と日産のCMばりにつぶやいてしまった。

 さてその後、「スマートフォンとスマートウォッチの光がどのくらい目立つ?」という検証動画第二弾がアップされていたことに最近気がついた。

 劇場ではさすがにカーテンコールまで終わって完全に終演するまでスマホを見る人は少ない気がするが(映画館ではエンドロールが始まった途端にスマホを取り出す人が多々いる)、スマートウォッチが曲者。横の人の腕あたりが急にチラチラと光って思わず見てしまう経験を何度もしている。気が散る! それによって没入していた舞台の世界観から、一気に現実に引き戻されてしまうのだ。  

 で、この動画。「光がどれだけ目立つか」については、迷惑したことがある経験者にとってはそこまで驚きはないかもしれない。でも「え、まぁ目立つかもしれないけど…そこまで?」とチラリとでも思ってしまった人は、絶対見るべきである。そして私自身にとっては、演者にとっても目障りかもしれないという気づきがあった。邪魔だよね、きっと。光ったら、舞台の上からでも分かるよね。

 実はこの第二弾の検証動画の存在を知ったのは、博多座の方から「博多座25周年オリジナルグッズ」を製作して発売したという連絡をもらってのこと。「あなたの暗闇、守ります」、あ、違った「客席の暗闇をお守りします」というグッとくるキャッチコピーと前述の検証動画が添えられ、この遮光ポーチが紹介されていたのだ。検証動画を出して一年後に対策グッズを作っちゃったのか。

 …かわいい。

 

 正直に書きましょう。オリジナルポーチ作ったのね…ふーん、と、写真を見るまで、まったく期待はしませんでした。むしろダサいだろうとすら思っていたかもしれません。…謝ります。

 かわいい。

 このデザイン、博多座の緞帳の葡萄唐草文様ですか? そしてプリントではなく、刺繍。

博多座の緞帳
緞帳と同じ葡萄唐草文様

 なにより、周年グッズを作るにしても、だれもが楽しめる舞台空間(劇場)にするためのグッズにしたという点に好感を覚える。愛だなぁ、愛。

 説明によれば「2024年9月1日より劇場にて発売を開始。演劇ファンを中心としにSNSでも大きな反響をいただき、28日には500個が完売致しました。」とのこと。10月8日再入荷ということで、さっそく10月の博多座公演『スーパー歌舞伎 ヤマトタケル』を見た時に購入した。2500円。少し高いかなと思ったけれど、実際に手にしてみると金額に不満はない。まずファスナーが開けやすい(これ大事)。ファスナーの引手部分のフリンジがきれい。マチがたっぷりあって中に入れやすい。これ、宣伝でも忖度でもなく、正直な感想である。

 検証動画で、クスリと笑わせ、なるほどと納得させ、そして完璧遮光の可愛いポーチ。ハートをぶち抜かれたので紹介してみました。

【商品概要】
博多座オリジナル『遮光ポーチ』
サイズ︓W185×H120×D40mm
生地︓(表)コットン12オンス
(裏)遮光等級1級生地(ポリエステル、黒)
加工︓刺繍 製作:(株)デザインフィル
販売価格︓2,500円(税込)
博多座売店グッズ売場、
博多座チケット売場(10︓00~17︓00)にて発売中。

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